いざ、のし掛けをお願いしようと思ったけれど、この場合はのし有り?なし?水引は何結び?何色?など、細かいマナーが気になりますね。
慶弔それぞれのシーン別に、最適なのし掛けをご紹介します。
のし、のし紙など、基本的な用語やマナーについてはこちら↓

結婚・出産など…お祝い事の「のし」
結婚祝い
のし:有り(肉・魚介類を贈る場合を除く)
水引:結び切り/あわじ結び
水引の色:紅白、金銀など
表書き:『寿』『御結婚御祝』など
その他:外のし
結婚は一般的に、選んだパートナーと末永く幸せになってほしいので「一度きりであってほしいこと」です。
そのため、水引は結び切り、あわじ結びを用います。
紅白より金銀のほうがよりおめでたい、重要な意味を持つと考えられているので、金銀の水引を使うとなお良いでしょう。
表書きが「結婚御祝」と4文字にならないよう、注意が必要です。

結婚内祝い
のし:あり
水引:結び切り
水引の色:紅白
表書き:『内祝』『寿』など
その他:内のし、名入れは大きく姓を書いてその下に夫婦の連名を
内祝いも同様に、内祝いを贈ることは「一度きりであってほしい」ので結び切りの水引を使います。
連名で名入れをする際は姓の下に向かって右側が夫、左が妻の名前を書きます。

出産祝い
のし:あり
水引:蝶結び
水引の色:紅白
表書き:『御出産御祝』『御安産御祝』など
その他:外のし
新しい命の誕生は「何度あってもよいこと」です。
出産祝いにはのしではなくリボンをつける方もいますので、その場合のし紙は不要です。

出産内祝い
のし:あり
水引:蝶結び
水引の色:紅白
表書き:『内祝』など
その他:内のし、名入れは生まれた子供の名前を記載
基本的には出産祝いと変わりませんが、出産内祝いは生まれた赤ちゃんの名前をお披露目する役割も兼ねているため、名入れは生まれた子供の名前を記載します。
読みにくい場合は読み仮名を添えておくとよいでしょう。
生まれた赤ちゃんが双子だった場合、先に生まれた子の名前を右に記載します。

その他 一般的なお祝い
のし:あり
水引:蝶結び
水引の色:紅白
表書き:『御〇〇御祝』『御祝』など
その他:外のし
お祝い事は基本的に「何度あってもよいこと」なので、水引は蝶結びが基本です。
関西以西では、あわじ結びがより丁寧な最上級の結び方とする地域もあるようなので、地域の習わしを参考になさってください。
表書きは4文字になると「死文字」といって不吉なものを連想し、縁起が良くないとする方もいらっしゃいます。
その場合、『入学御祝』などは『御入学御祝』など5文字にすることが望ましいとされています。
お悔やみごとの「のし」
香典返し
のし:なし
水引:結び切り/あわじ結び
水引の色:黒白、黄白(地域による)
表書き:『志』『満中陰志』など(地域による)
その他:四十九日法要までは薄墨で表書き・名入れを
のしは弔事では使用しないため、法要で用いられる場合は「のし紙」ではなく「掛け紙」といいます。
香典返しなどの法要に関連する贈答品は、地域や宗教によって大きく異なります。
仏式の場合にはこれに加えて、掛け紙に蓮の花が印刷されているものを使います。
神式、キリスト教式では蓮の花は用いませんが、表書きに「偲び草」と記載する場合もあるようです。

こんなとき、「のし」はどうする?
お見舞い
お見舞いに行くということはケガや病気をされているということ。
決して喜ばしいことではないけれど、この場合ののしはどうしたらよいのでしょうか。
のし:なし
水引:結び切り
水引の色:紅白
表書き:『御見舞』『祈 御全快』など
その他:外のし
おめでたくはありませんが、相手の全快を願って水引は紅白に。
ただし、「一度きりであってほしいこと」であることは間違いないので、結び切りの水引を用意します。
入院している原因が事故などネガティブなものに基づく場合は、水引のない掛け紙に表書きを書いて渡す場合もあります。
のしはその由来から「伸ばす」「延ばす」を意味し、「病気やけがを長引かせる(=延ばす)」ことを連想させるため、つけない場合がほとんどのようです。
快気祝い・快気内祝い
快気祝いは病気やケガが治ったことを意味しますから、うれしいことです。
しかし、快気内祝いの場合は?入院していた方が亡くなられた場合は?など、細かいことが気になります。
のし:あり
水引:結び切り
水引の色:紅白
表書き:『快気之御祝』『快気祝』など
その他:外のし 名入れは姓のみの場合が多い
病気やケガは治ったので喜ばしいですが、こうしたことが二度と起きないようにという意味を込めて結び切りの水引を用います。
まだ全快していない、自宅療養を続ける場合は快気内祝いを贈ります。
その場合は「御見舞御礼」や「快気之内祝」などを使うとよいでしょう。
残念ながら亡くなってしまった場合、「御見舞御礼」とします。
名入れは姓のみの場合が多いですが、フルネームをいれても問題ありません。
親戚に快気祝いを贈る場合はどうしても同じ姓になりますので、誰から贈ったかわかるように名前まで入れるのが良いでしょう。

お中元・お歳暮
お中元やお歳暮は季節のあいさつですが、一方でのしを使う場面としては一番想定しやすいのではないでしょうか。
のし:あり(肉・魚介類を贈る場合を除く)
水引:蝶結び
水引の色:紅白
表書き:『御中元』『御歳暮』など
その他:外のし
他に新年のご挨拶(御年賀)など、季節のあいさつ全般で使用することができます。
本来は肉・魚介類を贈る場合のしを付けないのがマナーですが、最近はあまり気にしない方も多いようです。
まとめ
シーンごとに様々な違いがあり、贈り物のマナーの世界は奥深いことがよくわかります。
より詳しく知りたい方、きちんと由来や理由を知って覚えたい方は、こちらの記事を読むとのしの由来、水引の種類など、基本的なマナーがよくわかります。

のしは日本独特の文化です。せっかくなので、ご紹介したものを参考に贈り物をしてみてはいかがでしょうか。